あと、管理会社の選び方も知りたい。
理事会メンバーになっちゃったけど、素人だから何をどうすればいいかわからない。
なんとか良い管理会社に変えたいな。
こういった疑問に答える記事です。
本記事の内容は下記のとおり。
- マンション管理会社を変更する13の手順
- マンション管理会社の選び方のコツ
僕、佐藤誠一は全国資産相談センターというサイトを運営しています。
これまでに多くの「マンション管理会社の変更」の相談を受けてきました。
理事会メンバーといえどマンション管理の素人なので、管理会社の変更って何をどうしたらいいかわからないですよね(^^;
今まで僕が相談を受けてきて、
無事に良い管理会社に変更できた管理組合はたくさんあります。
僕がアドバイスして、実際に良い管理会社に変更できたノウハウをこの記事にまとめました。
なので、この記事を読んでもらえればあなたの管理組合でも良い管理会社に変更できると思います。
それでは、さっそく見ていきましょう(^^)
目次
- 1 分譲マンション管理会社の変更手続き13の手順
- 1.1 ①マンション管理会社の問題点をまとめる【変更のアンケート実施】
- 1.2 ②見積もり依頼する管理会社を選定【1ヶ月目】
- 1.3 ③現場説明会【2ヶ月目】
- 1.4 ④各管理会社の現場調査【2ヶ月目】
- 1.5 ⑤管理会社から見積もりを出してもらう【3ヶ月目】
- 1.6 ⑥各管理会社にヒアリング【4ヶ月目】
- 1.7 ⑦理事会で管理会社の選定承認【4ヶ月目】
- 1.8 ⑧重要事項説明会の開催【4~5ヶ月目】
- 1.9 ⑨総会の通知【5ヶ月目】
- 1.10 ⑩総会決議【5ヶ月目】
- 1.11 ⑪現行のマンション管理会社に変更の旨と解約通知【5〜6ヶ月目】
- 1.12 ⑫新管理会社と契約【6ヶ月目】
- 1.13 ⑬現在の管理会社から新管理会社へ引継ぎ【6~7ヶ月目】
- 1.14 変更手続きが面倒でわからなければ候補の管理会社に聞けばOK
- 2 失敗しないマンション管理会社の選び方【変更トラブルを避ける】
- 3 まとめ【マンション管理会社を変更したい理由によって適切な会社を選ぶ】
分譲マンション管理会社の変更手続き13の手順
マンション管理会社を変更する13の手順は、下記の通り。
※どの段階が何ヶ月目くらいなのかも【】内に書いておきました。
- マンション管理会社の問題点をまとめる
- 見積もり依頼する管理会社を選定【1ヶ月目】
- 現場説明会【2ヶ月目】
- 各管理会社の現場調査【2ヶ月目】
- 管理会社から見積もりを出してもらう【3ヶ月目】
- 各管理会社にヒアリング【4ヶ月目】
- 理事会で管理会社の選定承認【4ヶ月目】
- 重要事項説明会の開催【4~5ヶ月目】
- 総会の通知【5ヶ月目】
- 総会決議【5ヶ月目】
- 現行の管理会社に変更の旨と解約通知【5〜6ヶ月】
- 新管理会社と契約【6ヶ月目】
- 現在の管理会社から新管理会社へ引継ぎ【6~7ヶ月目】
それぞれ解説しますね(^^)
①マンション管理会社の問題点をまとめる【変更のアンケート実施】
まずは、本当に管理会社を変更する必要があるのか、すべての組合員の意見を聞きましょう。
アンケートを実施すればOKです。
あくまでみんなの財産なので、多数決で管理会社変更の意思が多くないと変更できません。
アンケートは書面で実施すれば大丈夫です。
②見積もり依頼する管理会社を選定【1ヶ月目】
まずは見積もりを依頼する管理会社を選びましょう。
候補を絞らないと選べないですからね。
候補の管理会社を選ぶ際のコツは、ちょっと長いので「失敗しないマンション管理会社の選び方」で後述します。
③現場説明会【2ヶ月目】
候補の管理会社に来てもらいましょう。
ざっくりと各管理会社の話を聞いて、イメージを膨らませましょう。
現場説明会のときは、
- 管理仕様
- 金額を抜いた見積書の雛形
を管理会社に渡しましょう。
今の管理会社から渡されている資料の中に管理仕様と見積書があるので、それを活用しましょう。
わからなければ今の管理会社に聞けば大丈夫です。
④各管理会社の現場調査【2ヶ月目】
各管理会社にマンションを詳しく見てもらいましょう。
現地を見ないとわからないですからね。
現地調査のときは勝手に見てもらうのではなく、各管理会社の現地調査の時間をずらして、理事会立ち合いで1社ずつに見てもらいましょう。
全部の管理会社と一緒に現地調査すると各管理会社も自由に発言できないですし、他社が気づかないことをその場でアドバイスをくれる管理会社もあるからです。
各社で気づくところが違うので、おもしろいですよ(^^)
現地調査での管理会社の発言も、選定に大きく関わります。
⑤管理会社から見積もりを出してもらう【3ヶ月目】
各社から共通の見積もりを出してもらいましょう。
※共通の見積もりとは、②で各管理会社に渡した金額を抜いた見積書の雛形です。
見積提出日は指定して、あて先は理事長宛てで郵送してもらいましょう。
郵送された見積もりは、理事会でみんなが見ている前で開封してください。
まれに理事長と管理会社が結託してバックマージンをもらっているケースがあるので、そうした不正を防ぐためにみんなの前で開封した方が良いです。
この時点で、管理会社を3社くらいに絞りましょう。
⑥各管理会社にヒアリング【4ヶ月目】
選考に残った管理会社に来てもらって、見積もりの内容を説明してもらいましょう。
どのような考え方で管理するかも聞かないとですからね。
このとき話を聞くのは、理事会メンバーだけで大丈夫です。
各社50分くらいのプレゼン時間を設けましょう。
共通質問を5つくらい用意しておいて、各社がなんと答えるか聞きましょう。
ヒアリングのときは、大規模修繕工事の考え方も聞いてください。
大規模修繕工事に詳しくない管理会社に管理を委託すると、大規模修繕工事に失敗します。
「管理は管理、修繕は修繕」という考え方の管理会社もありますが、正直やめた方がいいです。
マンションの資産価値を維持するための管理ですから、大規模修繕工事も管理のうちです。
大規模修繕工事にも詳しい管理会社を選びましょう。
⑦理事会で管理会社の選定承認【4ヶ月目】
各管理会社のプレゼン後、理事会で1社に絞りましょう。
理事会で決めた1社を、総会の決議にかける準備に入ります。
理事会の議事録を全戸に配布して、絞った1社を報告しましょう。
⑧重要事項説明会の開催【4~5ヶ月目】
区分所有者に重要事項説明会の開催の案内と、重要事項説明書を配布しましょう。
「マンション管理の適正かの推進に関する法律」により、総会の前に重要事項説明会を開催しなければいけないからです。
案内配布後に、重要事項説明会を開催します。
⑨総会の通知【5ヶ月目】
続いて、総会の通知を区分所有者に配布します。
議案書(委任状・議決権行使書)も配布しましょう。
総会通知は、遅くとも総会の2週間前までに区分所有者に届くようにしてください。
⑩総会決議【5ヶ月目】
総会で管理会社変更の決議をとります。
そこで過半数の賛成があれば、管理会社変更となります。
総会では議事録を作成しましょう。
総会後は、
- 総会結果報告掲示
- 議事録
を全戸に配布します。
また、管理会社変更が決まったら、今の管理会社に解約通知を発送しましょう。
⑪現行のマンション管理会社に変更の旨と解約通知【5〜6ヶ月目】
新管理会社が決まったら現行の管理会社に変更の旨を伝えて、解約通知を発送しましょう。
3ヶ月の猶予期間を設けて、解約を通知すればOKです。
通知から3ヶ月すると解約になります。
⑫新管理会社と契約【6ヶ月目】
新しい管理会社と契約しましょう。
再度、管理委託契約の内容を確認して、理事会で契約を締結してください。
⑬現在の管理会社から新管理会社へ引継ぎ【6~7ヶ月目】
現在の管理会社から新管理会社へ業務の引継ぎをしてもらいます。
ここは基本的に管理会社間のやりとりですが、理事会に状況報告をしてもらうようにしましょう。
変更手続きが面倒でわからなければ候補の管理会社に聞けばOK
変更手続きが面倒でわからなければ、
候補の管理会社に聞いちゃいましょう。
理事会メンバーといえどマンション管理の素人ですし、管理会社の変更なんてめったにやるもんじゃないので、わからなくて当然だからです。
上記の②現場説明会で、ある程度「ここにお願いしたいな…」という管理会社の目途がたつことが多いです。
信頼できそうな候補の管理会社に、変更の手順を聞いちゃうのが一番です。
くわしく教えてくれますよ(^^)
理事会メンバー
と心配する必要はありません。
選ばれる努力をするのは、管理会社の仕事だからです。
選ばれれば月に数十万~数百万円の管理費が安定して入ってくるわけですから、管理会社側も変更手続きのことを聞かれれば丁寧に教えてくれますよ(^^)
失敗しないマンション管理会社の選び方【変更トラブルを避ける】
上記の「②見積もり依頼する管理会社を選定」で、「候補の管理会社を選ぶ際のコツは、ちょっと長いので後述します」とお伝えした部分をくわしく解説します。
理事会メンバー
というところで、止まってしまう理事会もありますからね。
候補の管理会社を選ぶコツ、そして、良い管理会社の見分け方を解説します。
これで失敗を防げますよ。
50戸以下は大手管理会社を選ばないこと
50戸以下のマンションは、大手管理会社を選ばないようにしましょう。
大手管理会社は50戸以下だと採算が合わず、
管理費が高くなるからです。
大手管理会社によっては「50戸以下はお断り」としているところもあります。
50戸以下のマンションは、
地域密着系の中堅管理会社を選びましょう。
管理会社ランキングだけで選ばない【変更したい理由に沿って選ぶ】
ネットの管理会社ランキングは、アテになりません。
あなたのマンションに合ってるランキングじゃないから。
マンションの規模によって合う管理会社が違うので、ランキング上位でも失敗はありますよ。
そもそも管理会社を変更したい理由で、管理会社を選ぶべきです。
管理費の安さだけで選ばない
管理費の安い管理会社を選ぶと、だいたい失敗します。
管理の質が下がるから。
ようは「安かろう悪かろう」でして、安くて良い管理は変えません。
「マンションは管理を買え」という言葉もあるくらいなので、安さ重視は禁物です。
ITを積極的に取り入れている管理会社が良い
ITを積極的に取り入れている管理会社を選びましょう。
ITを積極的に取り入れている管理会社は、フロント(担当者)の負担が少なく、
その分管理が丁寧になるからです。
IPadなどで情報を管理していて、何か聞けば管理情報をすぐ目の前で見せてくれる管理会社を選びましょう。
IT化が進んでいれば人件費を削減できるので、管理費も安くなります。
管理会社業界は、IT化が著しく遅れています。
IT化が遅れている管理会社は無駄な作業が多く、管理費が高いです。
何か質問するたびに「後日回答します」みたいな管理会社は、理事会の仕事が遅れて面倒になるだけです。
フロント(担当者)1人あたりの担当物件が20件以下
フロント(担当者)1人の担当物件が20件以下の管理会社が理想的です。
20件以上は、フロントが忙しくなりすぎて管理が雑になるからです。
聞けば教えてくれますよ。
ただし、ITを積極的に取り入れている管理会社は、ITシステムでフロントの負担が少ないため、20件以上を担当していても大丈夫です。
大規模修繕工事にも詳しい管理会社を選ぶ
前述のとおり、大規模修繕工事にくわしい管理会社を選びましょう。
大規模修繕工事も管理のうちだからです。
大規模修繕工事に詳しくない管理会社だと、
- 修繕積立金が多すぎるor少なすぎる
- 長期修繕計画が狂っている
などで、大規模修繕工事で失敗します。
類似物件を管理している管理会社を選ぶ
あなたのマンションと同じような規模の物件を管理している管理会社を選びましょう。
類似物件の管理実績があれば、あなたのマンションの管理も慣れているからです。
類似物件の管理実績は、必ず聞いてください。
プレゼンに役員が来てくれる管理会社を選ぶ
プレゼンに役員が来てくれる管理会社を選びましょう。
役員が来てくれれば、その場でYes・Noの決済がおりるからです。
役員が来ない管理会社だと、何か要望しても「上に確認します」といって、返事を待たされます。
これは、管理がスタートしても言えることで、いちいち「上に確認します」と言われたら管理のスピードが落ちます。
役員が来てくる管理会社は、その場でOKをくれますよ(^^)
また、プレゼンにくる役員はマンション管理に詳しい証拠。
マンション管理に詳しくない役員は、下手にプレゼンに参加して質問に答えられないと信用を失いますからね。
だから、役員がプレゼンにくる管理会社は、
相当自信がある証拠です。
マンション管理士に注意
マンション管理会社変更のコンサルタントはマンション管理士が一般的ですが、マンション管理士の中にはよくない管理士もいるので、注意してください。
マンション管理士の中には、
「今の管理費から下がった分を1年間もらう」という料金体系の人がいるからです。
「今の管理費から下がった分を1年間もらう」という料金体系だと、マンション管理士は管理費を下げないと報酬がないということになります。
ですが、管理費が安くなるほど管理の質は落ちます。
管理の質が落ちると、理事会の仕事が一気に増えるので大変です。
一概に管理費は下げればいいというものではありません。
なので、自分の報酬のために安い管理会社だけを紹介してくるマンション管理士は、注意してください。
まとめ【マンション管理会社を変更したい理由によって適切な会社を選ぶ】
この記事をまとめます。
- マンション管理会社の変更は13の手順がある
- 変更手続きが面倒でわからなければ候補の管理会社に聞けばOK
- マンション管理会社の選び方のコツがある
マンション管理会社を変更したい理事会の、参考になればうれしいです(^^)
記事の内容を参考に、できるところからやってみましょう。
「良い管理会社がどこか教えてほしい」という場合は、僕か全国資産相談センターに問い合わせいただいてもかまいません。
今まで理事会に紹介した管理会社の中で、
満足度が高い管理会社の情報をお伝えします。
※僕or全国資産相談センターへの相談はすべて無料です。
また、「毎月の管理費が高い気がする…」という人は、
マンション管理費が高い場合の6つの対処法【修繕積立金も見直す】を読んでみてください。
管理費を下げる方法を紹介しています。
あなたのマンションの参考になればうれしいです!